コーヒーが冷めないうちにの続編、この嘘がばれないうちにを読みました~。
↑画像をクリックするとアマゾンに飛び、レビューなどが読めます
コーヒーが冷めないうちにがとっても素敵なお話だったので、続編がでたのがとってもうれしい~。
今回、4話はいっていて
「親友」
「親子」
「恋人」
「夫婦」
となっています。
「親友」二十二年前になくなった親友に会いにいく男の話
昔、お世話になった親友に会いに行くお話。
その親友は事故で亡くなってしまっていて、その娘をいままで育ててきていました。
その娘が嫁にいくことになり、自分がこんなに幸せなのは親友の死の上に成り立っている幸せだから、自分は父親として結婚式にはでれない。
過去にもどって親友にあって、メッセージをもらい、本当のお父さんはこの人だと娘に伝えて自分は娘の前から消えようと。
もちろん、親友にそんなことをいってビデオメッセージを撮ると、
「なんで、未来の自分は直接メッセージをおくらないんだ?」
という話になるので、サプライズで過去のお父さんからメッセージと言う企画だと嘘をつく。
が、タイトルの
「この嘘がばれないうちに」
とは違い、この嘘は親友にばればれ。
親友には自分が未来にはもういなくって、更に娘の前から姿を消そうとしていることもさとられる。
ビデオメッセージには、
「二人が父親だ!」
と。
泣き崩れながら、コーヒーが冷めないうちに飲み干して現在へ帰ります。
まあ、あっさり端的に書いてしまうとこういうことなのですが、
死んでしまった人に会いに行くけど、未来を変える事はできないというルールがこの喫茶店でコーヒーを飲んで過去にもどるときのルールとしてあるので、
しかも、コーヒーが冷めるまでと言う超短い時間。
それが、なんともいえず、切ないんですよね。
なんか、フニクリフニクラ(喫茶店の名前)の雰囲気とかが、その光景が目に浮かんでくる感じで、私はこの作者さんの書く文章が好きです。
前作のアマゾンレビューでは読みづらいという方が沢山いらっしゃいましたが、
↑画像をクリックするとアマゾンのレビューみれます。
舞台の脚本家、兼演出家さんだというのが納得な感じの文章の書き方かもしれません。
私は、一つのシーンでつくられる演劇が大好きなので、(カクスコ、大好きだったのに、解散は本当に残念)
なんだか、自分のフニクリフニクラでその光景をみているような気持になります。
喫茶店にいって、コーヒーを飲みたくなってきます。
「親子」母親の葬儀にでられなかった息子の話
陶芸家を目指していて、こつことお金をためていたけれども
「自分の窯を持つことができる」
と言う話にのって、今までためてきたお金を全部だまし取られ更に借金まで背負ってしまった男の人の話です。
母親の葬儀のときも借金を背負っていた為葬儀に出る事ができなかったことを、後悔しています。
で、フニクニフニクラに行き、お母さんに会いに行きます。
会って、お母さんが自分が陶芸家を志した時にくれた預金通帳をかえしたい。
その通帳はお守り的な役割をしていて、いざとなったらこれがあると思い、今迄つかわずにとっておいたとのこと。
そして、フニクニフニクラで過去にいって、コーヒーが冷める前にコーヒーを飲みほしてしまわないと、幽霊になってしまうというのがあるのですが、もう、現世に未練はないから、通帳を渡したらそのまま、コーヒーを飲まずにいようと考えます。
それに感づいた喫茶店の数(彼女は時間旅行をするためのコーヒーをいれる役をになっています。)は、コーヒーにマドラーを入れておきます。
このマドラーは、死んだ人に会いに行ったときように、戻ってくるのを忘れてしまわない様にタイマーの役割を果たすものです。
今回でてくるお母さんは、このルールを知っているので、自分が死んでしまっていることが彼女にばれてしまうのですが、
それがばれても息子さんがちゃんとコーヒーを飲んで現在に戻るようにうながしたいだろうという気持ちからマドラーをいれておいた。
息子は自分が死ねばすべて終わると思っていたけれども、死んだら死んでしまった母を悲しませることになっていたと、母の思いをしり、現在に戻って今を頑張って生きる事を決意します。
「恋人」結婚できなかった恋人に会いに行く話
自分が余命宣告をされて、今の恋人が心配で会いに行くお話。
未来にいくお話です。
知り合いに頼んでおいて、
「もし、自分が生きていたら会いにこなくていい。結婚して幸せになっていたらこなくていい」
死んだ恋人からこんなメッセージを残されていたら。
私なら、あえる最後のチャンスなので、会いにいくだろうなと思いました。
だって、その時はもう2度とないし。
死んでしまった人に、もう一度でいいから会いたいって気持ちってどうしてももってしまうので。
結論。
彼女は、結婚してないけど、
「幸せよ!」
と言いに行きます。彼には結婚しているとウソをついて。
彼にその嘘はおそらくばれていたのではと思われるのですが、幸せになろうとがんばっているならそれでいいと。
過去に彼は流産をしてしまった彼女に
「君が幸せになれば、赤ちゃんがお腹にいた期間に意味ができる。幸せになるためにお腹にいる70日間をつかったんだということになる」
というような意味の事をいっています。
つまり、彼女が彼の死後、幸せになっていれば、彼と過ごした時間も彼女を幸せにするために期間だったという事で彼が幸せになれると。
大事に人に先に行かれて残されたものの悲しみは耐え難いものですが、
それでも、生きていかなければなりません。
自分のためだけに生きるのがつらいときなどもあると思います。
そういったときに、このお話のように考えるのはとても前向きになれるのではないかなと。
「夫婦」妻にプレゼントを渡せなかった老刑事の話
妻に誕生日プレゼントを渡そうと喫茶店で待ち合わせをしていたが、どうしても仕事の関係でいけず、その後妻が死んでしまう。
妻はこの喫茶店で時間旅行をできることをしらないから老いた自分をみても気が付かないだろうけどプレゼントを渡したい。
プレゼントを代理人として妻に渡した時に妻が発した言葉は
「別れ話を切り出されると思っていた」
と。
その時期、老刑事は刑事の仕事が自分にはむかないのではないかと悩んで仕事をやめたいということを考えていました。
その為無口になり、妻にそのような誤解をさせていたのです。
「君と別れたいと思ったことは一度もない」
と告げ、正体をあかします。
妻もかぶっていたハンチングが自分のあげたものとおなじだったからもしかしてと思っていたと。
未来はかえられないけれども、奥さんが誤解したまま死んでしまう事がなくなりました。
今回、フニクリフニクラの時間旅行に関わる話もちょいちょいでてきていて
コーヒーをいれる時田家の血筋のものは妊娠してるとその効力がなくなる。
とか、時間旅行にいくさいに座っている幽霊の女性は数のお母さんで、過去にいってそのまま戻ってこず幽霊になった。
そのコーヒーをいれたのは数だった。
数が
「私幸せになります」
とつげたところ、幽霊の女性(数のお母さん)はニコリと笑って消えた。
などなどもあります。
備忘録的に書いているので淡々とかいていますが、今回もとても素敵なお話の数々で心があたたかくなりました。
う~ん。雰囲気のある喫茶店にいってコーヒーが飲みたい!