藤原 一裕さんがかかれた遺産ゲームという本を読みました。
お笑いにはとてもうといので、藤原さんのことはまったくしりませんでした。
↑クリックするとアマゾンに飛びます。なかなか評価高いのですよ!
お話しは
別荘/相席/飛び火/メッセージ/渋滞/アンティーク/遺産ゲーム
で4つの短編となっています。
正直、「別荘」を読んだ時は、そんなに面白いと思わなかったのです。連作ってきいてたのに、相席を読み始めたら全然登場人物違うし。あれって感じでした。
では、以下超ざっくりあらすじです。一部ネタバレありです。
「別荘」
原&英治のチンピラコンビの話なのですが、英治はずっと原をばかだばかだと思って、なにかにつけて心で「ぷぷぷ」と笑っています。そこで、原からは「おい!ほんとうは心の中でこいつばかだな~とか思ってんだろ!」とつっこまれ「いえ、そんなことありません!」
というやりとりをしていたのですが、実は、原は計算ずくでいろいろ演じていたというのが最後にわかり、英治はあっけにとられると言った感じのお話しです。
「相席」
若者が(二ートだったかな?)ファミレスかどこかで昼食を食べようとしていたところに、大阪のおばちゃん団体が相席をすることになり。おばちゃんに囲まれて食事をする羽目になるお話。
もちろん初対面なので、名前はわからないので、特徴からいろいろなあだなをつけます。こころへんのあだなのセンスが、お笑い芸人さんらしいです(笑)
最後は、お決まりのお会計の譲り合いがはじまり、なぜか主人公もじゃんけんに加わらないとだめということで、お支払いじゃんけんに加わる事になって、負けたんだったかな?
とんでもないとばっちりです。
大阪のおばちゃんを誇張した特徴が面白おかしく書かれています。
本当に大阪のおばちゃんってこんな感じの方がたくさんいらっしゃるのでしょうか?
「飛び火」
マンションのごみステーションで火災がおこりました。
警察もかけつけ事情聴取をうけることになった1組のカップルがどう考えても異様で。
奥様はSM女王よろしく皮の鞭とろうろくを手にしています。
そんな夫婦に事情長所をしていくのですが、夫はもちろん、Mですから、そんな恥ずかしい状態でもお構いなしにたんたんと事情聴取に答えていきます。
常識ある刑事はもう、そっとしといてあげようよと思うのですがKY刑事は
「火事の現場でろうそくをもっているなんてあやしすぎる!」
と真面目に事情聴取をとりはじめます。
Sの奥様はそのうち、そのKY刑事をいじるのが楽しくなってきてしまい。
といった感じのお話しです。
「メッセージ」
莫大な遺産を残して亡くなった老人の遺言には、遺族みんなでゲームをしろと。
そのゲームには犬もくわえなくてはならず、犬も含めた3兄弟とその妻が遺産相続をかけたゲームをすることになります。
ばかばかしくてやりたくないのですが、遺産がかかっているのでみんな必死。内容はなくなった老人に関する事なのですが、みんななかなか答えられず。。。
遺産は
「わん」
という発言をしたものに譲られることになり、犬がGETすることになります。が、犬が相続することは日本の法律ではできないのです。でも、そんなことをしらない遺族たちは醜く争い始めて。
遺産は犬を引き取ってくれる施設に寄付することになるのですが。
「渋滞」
個人的には一番好きでした。
家族4人で温泉旅行にいくために車で出かけたのですが、パーキングエリアで、青年がヒッチハイクを希望していることをしり、父親はその青年を車に乗せてしまいます。
そんななか、ラジオを聞いているとなんと妻からの投稿が読み上げられることに。内容は
「夫が浮気をしました。本日、どこどこの道を通っている北海道の有名なラジオ局のステッカーがはってある、〇〇の車種(すみません忘れました)の車を見かけたら、浮気夫だと思ってみてやってください」
というものでした。
このラジオのせいで、渋滞の中、隣に車を付けられ、写メをとられと散々な目に合うのですが、実はもっと悲劇が起こっていて。
実は、先ほどのパーキングで拾った青年はバスジャックの犯人だった!というお話
「アンティーク」
おじいさんのアンティーク店をひきついだ男の話。
そのアンティーク店には頻繁に通ってきて、アンティークのトランペットをじっとみつめてしばらくしたら帰っていくコドモがいました。
ある日、品のよさそうな紳士風の男が、アンティーク店にやってきました。店内をいていると、いつもの子供がトランペットを欲しそうにしています。その紳士はトランペットを子供のために買ってあげると言うのですがその額がとんでもなく高額で。
実はこの紳士風の男、金持ちでもなんでもなく、そうやって紳士をきどって楽しんでいるだけでした。買ってやるといった手前、引くに引けなくなっていたのですが最終的には1000回ローン?だったかな?はできますか?という話に。なかなか1000回ローンはとおらなくって。。。。
でも、実は、この子供も、アンティーク店の方棒で、アンティーク商品を高く買わせるための小芝居なのでした!
「遺産ゲーム」
ここで連絡だという事がわかります。
「メッセージ」のときにでてきた遺産を寄付する記者会見が行われます。
それをテレビで見ているのが「相席」の彼
そして、「相席」していたおばちゃんの中には「メッセージ」にでてきた遺族が。
そして、「アンティーク」の男がなんやかんやで警備をまかされていて、最終的には遺産が入ったキャッシュケースを持ち逃げしてしまいます。
この「アンティーク」の男が引かれそうになった車を運転していたのが、「渋滞」の浮気夫。
そして、「渋滞」の夫は車で「アンティーク」の男を病院に連れて行くため車に乗せるのですが、なんやかんやで途中でこの男が遺産の強奪犯と分かり、「アンティーク」の男を置いて逃走。
そのころ記者会見の現場では「別荘」の原&英治がうまくいったなとほくそえんでいる。とっくに、その遺産のお金はすりかえてあるらしく、後は、持ち去られた偽札のボタンをおして遠隔で燃やすだけと。
この時点であれ?「飛び火」がでてきてないな~と思ったのですが、なるほど
「渋滞」の彼は面倒に巻き込まれたくなくて、マンションのゴミ捨て場にキャッシュケースを捨てにいきました。そこで、住人にばったりあったのですが、その女性がSMの女王の妻
マンションのゴミ捨て場の火事はこのキャッシュケースが燃えたやつだったというふうにつながります。
なので、「飛び火」だけが時系列がずれていることになりますね。
ちょっとお話をいろいろ忘れてしまっているのですが、これらの内容をお笑い芸人さんらしく面白おかしく文章にして書いてくれています。
舞台とかにもできそうなお話ですヨネ。
一つ一つは短編で寸劇みたいな感覚で読むことができるので、読書が苦手な方でも、1日1話などのスタイルで読めば楽しく読めると思います。
「メッセージ」の方に「遺産ゲーム」のタイトルがついていないあたり、遺産をかっさらう事が遺産ゲームだったということですよね。
表紙も原&英治のようですし。